アパレル 商品企画 仕事

MDは商品企画の中枢となる

商品企画の仕事に焦点を当て、その実際を見ていきましょう。

 

その中でMD (マーチャンダイザー)の多岐にわたる職務内容と、デザイナーのデサインワークの成り立ちなどもみていきます。

 

まず、会社の営業計画に従って、年間に行われるプランドの展示会(シーズンごとや毎月など、プランドによって異なる)のための商品企画を行います。

 

最初に販売予算に沿った商品のアイテム(服種)とモデル数(型数)及びその展示会規模と企画内容が、これまでの販売実績を参考に大まかに決められます。

 

その際、MDは、営業の販売スケジュール、デサインパターンの製作予定、生産担当の縫製工場の枠取りなど、あらゆる作業スケジュールを確認して計画実行の中枢となります。

 

その一方で、営業や売り場から日常的に入って来る報告や、マスコミによるファッション情報の収集と分析を行いながら、コレクションテーマを設定します。その結果、具体的な商品イメージや算に見合ったアイテムとモデル数を正確に決めていきます。

 

このほかに、テキスタイルメーカーからの素材収集ニットの場合は、原糸の段階からの染色見本及び編地見本を要するので、企画のスタートは布帛物より〒・い)や得意先との商談など、MDの仕事は多岐にわたります。

 

MDは経営者同様の重責を担う

 

デザインのセレクティングも、成否の責任の半分はMDにあるといえます。

 

新しい商品を開発する仕事には、感性と専門的な知識が求められますが、M Dひとりでそのすべてを担うことはできないので、感覚的な面での作業はデザイナーと共同で行われます。

 

とくにセレクティングに複数のデザイナーが関わる場合は、チーフデザイナーとともにM Dが、客観的な視点を保ち、意見を統合していく力をもつ必要があります。

 

数値で評価しようのない感性の表現に判断を下すのは、確かに困難なことですが、後に続くパターンメーキングやサンプル製作に費やす労力と経費を考えると、セレクティングに際してのMDの判断力の正否は極めて重要です。

 

このようなことから、プランド規模の大小にかかわらず、MDは経営者同様の重責を担っているといえるのです。

 

イメージマップの果たす役割

コレクションの企画案をまとめる当初の段階では、盛んにディスカッションが行われ、また試行錯誤がなされ販売予算や日程などは話を聞くだけで理解できるが、これから作ろうとする商品のイメージを言葉で説明するのは難しいですよね。企画会議に集まった役員、営業、パタンナー、生産など各分野のスタッフは、これから作る商品の内容を一刻も早く、正確に把握したいと望んでいます。

 

商品についての説明に対し、聞いているほうがあいづちを打ち、分かっているように見えても、実際は、それぞれバラバラに想像しているかも知れません。

 

そこで、MDとデザイナーが共同作業で制作し活用するのが、イメージマップや各種チャートです。
とくにイメージマップのたす役割は大きく、これから企画製作する商品のイメージを写真や雑誌の切り抜き、スタイル画などを貼付してビジュアルに構成します。企画イメージのアウトラインが、全員に明瞭に理解されるよう工夫しなければなりません。

 

そのほか、カラーマップや主な素材を貼って構成した素材マップなどがあります。

 

しかし、このイメージマップの中の服が必すしもコレクションに登場するとは限りません。コレクションのイメージとして、服のシルエットやデザイン傾向を示すためのものであり、同時に企画の方向がそれてしまっていないかを確認する材料なのです。

 

また、デザイン画が出そろうまでは、ジュアルな資料となる。デサイナーは、自ら携わったこのマップのイメージを膨らませてデザイン画を描きます。

 

パタンナーはこれを基にシルエット原型を整備します。販売は取引先のデパートやブティックに、他社に先駆けた販売促進を行います。
こう見てくると、商品企画の段階において最も重要なのは、このマップを作る過程であることが分かります。

 

写真の切り抜きやスタイル画を題材にして各スタッフがコミュニケーションを交わす中で初めは漠然としていたイメージが次第に具体化してくるのです。

 

商品企画におけるデサイナーの役割

 

商品企画において、MDとともに重要な役割を占めるのがデザイナーです。
デザインは、いうまでもなく意匠の創作であり、デザイナーは、いかにそのオリジナリティーを表現し得るかで、産業デザイナーとしての能力が評価されます。
あらゆるデザインソースから新たに生み出されるアレンジメントの巧みさ、バランス感覚、色彩感覚などがデザイナーの独自の感性を組み立てるのです。その個性的なキャラクターが強く打ち出され、かつ多数の消費者の支持を受けるのがよい作品といえます。

 

デザイナーは服のデザインをする専門職ですが、いつもスタイル画ばかりを描けばよいというものではありません。
常に市場調査を怠らず、感覚を研ぎ澄ましておくことが必要となります。
私たちの日常生活は、政治や経済などの社会情勢と密接な関係にあり、服の流行もこれらとは無縁ではありえません。
従ってそうした社会全般にわたる知識や一般教養がデザインワークのベースになくては、魅力的な商品企画になるはずがないのです。

 

消費者がいま服を着ることで自分をどう表現しようとしているのかを的確につかまなければなりません。
そのためにはファッショントレンドばかりではなく、消費行動を裏づける経済の動向から世界の動きまではもちろん、社会人としての広範な知識が必要とされます。
そして、これらの本質を洞察する力があってはじめて、消費者の心理を先取りした斬新なアイディアを生むことが可能になるのです。